免疫と体調変化の関わり

*

免疫と体調変化の関わり

免疫は自律神経を通じて、体のいろいろな変化と深くかかわっています。

免疫と体調の変化との関係はどのようになっているのでしょうか。

風邪のひき始め

おもにウイルスが原因で起こる風邪をひいたときは、「りんぱ球」が中心になって活躍。
ウイルスが入ってくると、体を休ませようと副交感神経が優位になり「リンパ球」をたくさん出動させ闘うので、風邪のひき始めには発熱して体がだるくなり、サラサラした鼻水が出るのです。

また、気がはっているときに風邪をひきにくいのは、交感神経が優位なものの、なんとか自律神経のバランスがとれているからです。

でも、自覚がなくても疲れがたまり、「リンパ球」の数は減りぎみです。

そのため、気が抜けたとたんウイルスに抵抗できなくなり、風邪をひくこともあるのです。

アレルギー

免疫は体を守るために必要な働きですが、過剰に働きと、体に無害なもの、さらには必要なものまで排除しようと働くことがあります。
敵を排除する働きが強すぎる状態がアレルギーなのです。

アレルギーを起こす体質かどうかは、親から受け継いだ遺伝子の影響が大きいのですが、アレルギー反応が強く出るかどうかはその人の免疫状態が深く関わっています。

アレルギーとの関係が深いのは、免疫物質の中の「リンパ球」。

これを支配する副交感神経が優位になりすぎると、アレルギー反応も強く出ることがあります。

傷の治り方に影響

けがをしたり、潰瘍ができたときの傷の治り方にも、免疫力のバランスが大きく影響します。
副交感神経が優位すぎる人は、「顆粒球」の数が少なく、「リンパ球」が増えすぎる状態に。

そのため、「リンパ球」がもつ傷を治す力が強く働きすぎて、傷の治りかけに強いかゆみを感じたり、傷跡がケロイドとして残りやすくなります。

一方、交感神経が優位過ぎる人は、「顆粒球」が多すぎる状態。

「顆粒球」が必要以上に働くことで、いつまでも傷口が化膿した状態になって、傷の治りが遅くなることがあるのです。

妊娠中の変化

妊娠すると、交感神経が徐々に優位になり「顆粒球」が増えるいっぽうで、「リンパ球」の数が減っていきます。
出産後、数日たつと、正常な免疫の環境に戻ります。
妊娠中は、自分の体には存在しない異物を記憶し、排除する働きがある「リンパ球」が減ることで赤ちゃんを異物として認識しにくくなる環境がつくられるのです。

妊娠すると、風邪をひきやすくなったとかんじる妊婦さんは多いのですが、実はウイルスに対抗する「リンパ球」が減ることが、風邪のかかりやすさに影響しているのです。

がんの原因に

免疫機能は、常にからだに害を及ぼす敵を監視しています。敵は外から侵入してくるだけではありません。
体内にある細胞が異常に増殖したときも、敵となって体を攻撃してきます。
子の体内から生まれる敵の代表が、がんです。
免疫機能が正しく働いているときは、がん細胞のもとがつくられても、すぐに正常な状態に戻すように働きます。
でもなんらかのきっかけ免疫力が低下すると、がん細胞が増殖しはじめます。
この増殖を抑えているのは、おもにT細胞、NK細胞などの「リンパ球」。
ストレスによって交感神経が緊張状態になると、「リンパ球」が減少。

そのため、過度なストレスが続くと、がんのリスクが上がるといわれるのです。

自己免疫疾患

免疫は、自分自身の体とそれ以外のものを区別して働きます。
ところが、免疫が間違って働くようになり、自分の体を攻撃してしまうことがあります。
慢性関節リウマチ(全身の間接が痛み、ときに変形してしまう病気)などの自己免疫疾患です。
アレルギーとよく似ていますが、アレルギーが体の外から入ってくる異物を攻撃するのに対して、自己免疫疾患は、自分の体内にあるものを異物として攻撃してしまうもの。

自己免疫疾患がなぜ起こるかはまだはっきりわかっていませんが、過度のストレスが、免疫機能をつかさどる自律神経のバランスをくずすからではないか、などといわれています。

免疫機能のバランスも整える漢方薬

交感神経の緊張状態が続くと、食欲不振や腰痛、肩コリ、不眠、冷え症、頭痛などの症状があらわれます。
これらの症状の改善を得意とするのが漢方。漢方薬は、成分が効果を発揮するだけでなく交感神経の緊張をほぐしてくれるといわれています。
というのも、炭水化物やビタミン、ミネラル等の栄養素が含まれていない漢方薬は、体にとって「異物」のひとつ。
漢方薬をのむと、体は異物を早く体外に出そうと、副交感神経を優位にして、唾液を分泌したり、消化管を活発に動かしたり、血流をよくします。
この働きが緊張した交感神経をリラックスさせ、免疫機能を正常な状態に戻してくれるというのです。